高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。
そして、自分の好きな色。
そんなある日、同じ学校に通っていた
美しい色を放つ少女・きみと、
音楽好きの少年・ルイと古書店で出会う。
周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、
自分を偽ったり―
勝手に退学したことを、
家族に打ち明けられないきみ。
母親からの将来の期待に反して、
隠れて音楽活動をしているルイ。
そして、自分の色だけは見ることができないトツ子。
それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。
バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、
友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。
やがて訪れる学園祭、初めてのライブ。
観客の前で見せた三人の「色」とは。