思春期の鋭すぎる感受性というのは
いつの時代も変わらずですが、
すこしずつ変化していると感じるのは
「社会性」の捉え方かと思います。
すこし前は「空気を読む」「読まない」「読めない」
みたいなことでしたが、
今はもっと細分化してレイヤーが増えていて、若い人ほど
良く考えているな、と思うことが多いです。
「自分と他人(社会)」の距離の取り方が
清潔であるためのマニュアルが
たくさんあるような。
表層の「失礼のない態度」と内側の「個」とのバランスを
無意識にコントロールして、目配せしないと
いけない項目をものすごい集中力で
やりくりしているのだと思います。
ふとその糸が切れたときどうなるのか。
コップの水があふれるというやつです。
彼女たちの溢れる感情が、
前向きなものとして昇華されてほしい。
「好きなものを好き」といえるつよさを
描いていけたらと思っております。
(山田尚子監督の企画書より)

社会現象を巻き起こした『映画けいおん!』(11年)、国内外問わず高い評価を受けた名作『映画 聲の形』(16年)、両作品の監督を務めた山田尚子は、稀有な映像センスと、小さな心の揺れ動きさえ表現していく繊細な演出で、全世界から最も脚光を浴びるアニメーション監督の一人となった。
待望の最新作となる映画『きみの色』は、山田監督が最も得意とする「音楽×青春」の物語。
脚本は「けいおん!」シリーズ以降、幾度となく山田監督とタッグを組む吉田玲子。音楽・音楽監督は『映画 聲の形』など山田監督作品のほか、「チェンソーマン」(テレビ東京系/22年)を担当する牛尾憲輔。そして、キャラクターデザイン・作画監督を小島崇史、キャラクターデザイン原案をダイスケリチャードがそれぞれ務める。
声の出演として、1600人に及ぶオーディションから選ばれた鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖が、それぞれトツ子、きみ、ルイ役に決定。
大抜擢された新たな才能の登場に、大きな注目が集まる。さらに、声優の悠木碧、寿美菜子、お笑い芸人のやす子、戸田恵子、そして 新垣結衣など豪華キャストが本作に参加している。
主題歌は日本を代表するロックバンド・Mr.Childrenが、本作のために書き下ろした「in the pocket」。
多様な色のような繊細で切実な感情と、鮮やかな映像表現、そしてエモーショナルなバンドサウンド。全世界が注目するアニメーション監督・山田尚子による「音楽×青春」の集大成となる完全オリジナル長編最新作、映画『きみの色』。まさにいま、アニメーション映画の新たな時代が動き出そうとしている。

高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。
そして、自分の好きな色。

そんなある日、同じ学校に通っていた
美しい色を放つ少女・きみと、
音楽好きの少年・ルイと古書店で出会う。

周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、
自分を偽ったり―

勝手に退学したことを、
家族に打ち明けられないきみ。
母親からの将来の期待に反して、
隠れて音楽活動をしているルイ。
そして、自分の色だけは見ることができないトツ子。
それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。

バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、
友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。

やがて訪れる学園祭、初めてのライブ。
観客の前で見せた三人の「色」とは。

2009年テレビアニメ「けいおん!」で監督デビュー。数々の社会現象を巻き起こす大ヒットを記録し、2011 年『映画けいおん!』にて長編映画初監督を務める。「たまこまーけっと」『映画 聲の形』などの話題作で躍進を続け、2022年TVシリーズ『平家物語』、2024年リリース予定のショートフィルム「Garden of Remembrance」を監督。完全オリジナル劇場長篇最新作『きみの色』では、第26回上海国際映画祭金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞。何気ない日常描写を瑞々しく描く映像センスと、繊細な映像演出で、現在のアニメーション界において日本のみならず世界で最も高く評価されている監督のひとり。

1992年NHK創作ラジオドラマコンクールに入選し、脚本家デビュー。 1998年テレビアニメ「おじゃる丸」、1999年「おジャ魔女どれみ」シリーズなどに参加したことで高い評価を受ける。 その後、2002年に映画『猫の恩返し』、2009年テレビアニメ「けいおん!」などに携わり、 2014年には、東京アニメアワードのアニメオブザイヤー部門において脚本・オリジナル原作賞を受賞。 さらに、2017年、2021年、2023年にも同賞を受賞した。 近年では、『映画 聲の形』(16年)、『若おかみは小学生!』(18年)、 テレビアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(18年)の他、 2022年には山田尚子監督、サイエンスSARUと共にテレビアニメ「平家物語」を手掛けた。 オリジナル作品では、高い構成力でストーリーを紡ぎ、 原作のある作品では、世界観を壊さずにエピソードをより洗練されたものに仕上げる、多岐にわたって活躍する脚本家。

2008年、ソロユニット“agraph”名義でデビューアルバム「a day, phases」を発表。 バンド“LAMA”のメンバーとしても活躍するほか、電気グルーヴとの継続的な活動や様々なリミックス/楽曲提供/プロデュースを行う。 2014年、テレビアニメ「ピンポン THE ANIMATION」の劇伴を皮切りに、以降アニメ/実写を問わず多数のサウンドトラックを担当。 先鋭的にして静謐なサウンドで高い評価を集めている。 劇伴を務めた主なアニメ作品に、「日本沈没2020」(20年)、「サイダーのように言葉が湧き上がる」(21年)、「チェンソーマン」(22年)など。 山田尚子監督作品には、『映画 聲の形』(16年)で初参加。 以降、『リズと青い鳥』(18年)、「平家物語」(22年)と、唯一無二の音楽でその世界観を彩っている。

アニメーターとして数々の作品を手掛け、「DEVILMAN crybaby」(18年)第2・9話作画監督、 「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット 放課後のブレス」(23年)キャラクターデザインなど幅広く活躍。 「四月は君の嘘」(14~15年)第5話、「進撃の巨人 The Final Season Part 2」(22年)オープニングでは、 演出と作画監督に加えて原画すべてをひとりで手掛けている。 キャラクターデザイン・総作画監督に『きみと、波にのれたら』(19年)、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(20年)など。 山田尚子監督と初タッグを組んだ「平家物語」(22年)でも、 高野文子のキャラクター原案を繊細な描線と緻密な設定で見事にデザインしている。

2016年よりイラストを発表。 軽やかな描線とポップな色彩で女の子の日常を紡ぎ、若い世代を中心に海外からも注目を集める。 “三月のパンタシア”をはじめアーティストとのタイアップやアパレルとのコラボも展開。 Netflixの特別アニメーション「明日のアニメも、楽しみだ。」(20年)のキャラクターデザイン、 SixTONES「うやむや」(21年)MVのイラストレーションも手掛けている。 作品集に、「気化熱 ダイスケリチャード作品集」(18年)、「水槽 ダイスケリチャード メイキング&ワークス」(19年)、 「丑三ツ時 ダイスケリチャード作品集」(21年)がある。現在は活動休止中。

1992年ミニアルバム「EVERYTHING」でデビュー。
1994年シングル「innocent world」、
2004年シングル「Sign」で日本レコード大賞を受賞。
「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「HANABI」など
数々の大ヒットシングルを世に送り出す。
2023年10月最新アルバム「miss you」をリリース。
2024年7月より全国アリーナツアー「Mr.Children tour 2024 miss you arena tour」を開催中。